紅白を見て、思ったこと。
去年の大晦日、母と姉と叔母と叔父と従兄弟と姪で過ごした。
姪は4歳、あとは全員43〜84という年齢構成。
僕が子供の頃は、よくこの親戚で集まっていた。
当時は、おばあさん、おじいさんも生きていて、一番年下の僕含めて、子供も4人いて、賑やかだった。
俺の親父も、元気だった。
親父は、破天荒な生き方をする人で、話もうまく、みんな集まればいつも盛り上がっていた。
よく集まっていたなぁ。
母は、この親戚の集まりが好きだ。
とても大切に思っている。
で、去年の大晦日も、集まった。
僕は結婚もしておらず、子供は姉の娘ひとり。
なんとなく、「やっぱ子供欲しいなぁ。いるといいなぁ。」なんて思った。
で、テレビでは紅白が流れていた。
僕は、紅白が嫌いなので、あまり画面を見ることなく、姪っ子と遊んでいた。
で、紅白を見ながら、親戚がいろいろと話しているのだが、話している内容が、僕が子供の時から、変わっていなかった。
ずっと前から、そのことには気付いていたけど、今回改めて実感した。
40年近く、同じ話を繰り返している。
内容はだいたい以下の感じ。
「アイドルの顔がたいして可愛くない。」
「松田聖子も声が出ていない。」
「ジャニーズも華がない。韓国アイドルの方が綺麗。」
「総合司会は中居くんじゃないんだ。もう使いきれないほどお金があるから、大晦日に丸一日拘束されるのも嫌なんだろうね。」
「このフワちゃんって何?こんな人いないで歌った方がいいのに。」
つまり、だいたいが出演者や演出に対するダメ出しや、批評です。
ちなみに、僕はこの親戚の人たちを批判したいわけではありません。
そもそもテレビなんていうのは、そうやって好き勝手言いながら見るものだろうと思います。
ただ一方で、僕はこういう親戚の話しに、何か反発したい気持ちがありました。
なぜ反発したかったのか、今回それがはっきりした気がします。
それは大きくいって、以下の3つの思いがあったからだと思います。
①この出演者の人たちは、皆、勝負している。
②そのことに対して、僕は敬意を持っている。
③本当は、僕も、勝負してみたかった。
例えば、『○坂47』とかのアイドルグループがいます。
(僕も詳しくは知らない・・・・)
確かにとりたててファンではない人たちから見たら、色々と批判したくなる部分もあるのかもしれません。
でも、僕はこの人たち自身は皆、「自分の人生をつかもうとしている」ように見えます。
そのために勝負しているように見えます。
オーディションなりなんなりを受けて、おそらく将来の保証だってない世界に飛び込んでいる。
文字通り「自分が商品」ですよね。
それってすごい勇気だと思います。
僕は、そんなことに最近ようやく気付いた気がします。
気付いた理由は、やっぱ教員を辞めたことです。
教員を辞めて、気付いたのは、「僕自身には社会的な価値がない」ということ。
社会的な価値があるのは、僕の勤務している学校だったのです。
そう考えたら、こうしてアイドルとして活躍している、あるいは、これから活躍しようとしているこの人たちの方が、よっぽど「自分を掴もうとしている」。
そのために戦っていると思います。
まだメディアへの露出もできない人たちも、勝負している人たちだと思います。
私の母や叔母や叔父や従姉妹も、50代から80代です。
皆、立派に生きてこられた人たちだと思います。
今年84という叔父は、薬の研究をしてきた人で、ひとつの会社を定年まで勤め上げ、今でもとてもしっかりされていて、勉強熱心です。
叔母もずっと添い遂げてきたわけですね。
母は、叔父の立派さをよく口にしていたと思います。
確かに、それもひとつの生き方だと思います。
時代もあると思います。
でも、僕はそれができなかった。
僕は、それでは「自分の人生」という気がしなかったわけです。
もう43で、まるで「あってもなくてもいい人生」だったと感じるわけです。
本当は、もっと勝負したかったのかもしれません。
もっと自分を打ち出したかったのです。
きっと子供の時から、そういう思いはあったのです。
だから、この親戚の人たちが集まり、テレビを見ながら、だいたいこういう話をしているのを聞くと、モヤモヤとした気持ちになったのでしょう。
自分を打ち出して勝負している人たちのことを、好き勝手に批判するのを聞いて、なんとなく居心地の悪い思いをしていたのだと思います。
去年の大晦日の紅白でも、まるでデジャブのように、同じ内容の会話をしながら見ていました。
うーん。
別にいいと言えば、いいのだけど。
そんなものなのかなぁ。
もうすこし、何か、変わってもいいのではないだろうか、などと思ってしまいます。
そういえば、僕が小学校5、6年生の時に、この親戚の集まりに参加するのを拒否した時、母親が鬼のように怒り狂ったことを覚えています。
ほんと鬼のように怒鳴りました。
そして、しばらく不機嫌になりました。
一体、僕はそんなに悪いことをしたのだろうか。
とても嫌な気持ちになったし、言ってみれば罪悪感も持ちました。
本当は、自分の行動は、自分で決められる。
自分の価値観は、自分で選べる。
あのとき、しっかりと「反抗期」ができれば、もっと違う人生だったのかもしれません。
乱文で、すみません。
終わりにします。