教師辞めた ブログ

15年間、教員をしました。このままでは生徒の見本になれない!!『生徒の見本になりたい』そう思ったから辞表を出しました。40過ぎた今から、自分で人生を掴むブログ。イラスト・漫画のお仕事募集してます。メールで相談してください。p-kamiyo@hotmail.co.jp

中年の危機と反抗期

3月。

今日は、高校3年生の卒業式でした。

 

昨年一昨年と、僕は彼らの学年に所属していた。

毎年、卒業生たちが卒業する(当たり前や)。

でも毎年、卒業生は卒業していくんだよね、学校って。

 

 

受付の係をやった。

あと5年ほどで定年を迎える、同じ教科である数学のS先生に声をかけられた。

 

S先生は、8,9年前くらいに予備校からウチの学校に移ってきた人です。

当時の校長が、進学実績を伸ばすために、いわゆる引き抜きっていう感じで、声をかけてウチにきた人です。

 

先の記事にも、引き抜きでやって来る先生が増えていることを書きました。

 

その一番走りの頃に来られた先生って感じかな。

しかし、それでももうウチでも長くやってこられているので、以前書いたような“外様”感とか、分断感(?)は、この先生には感じません。

 

S先生は非常に温和な性格の男性で、腰も低く、しかし非常に論理的で隙のない話をされる方だと思う。

 

東大を卒業されていて、予備校で20年近く受験指導をされてきたそうで、入試問題への精通具合や、数学の知識はやはり凄い。

今では本校の数学科の先生たちが、よりどころにしているような面もあります。

 

ウチに来たばかりの数年は、はっきり言って、ミスマッチだったと思います。

それまでは、トップクラスの受験生ばかりを相手してたんだもん、当然だよ。

 

うちの学校なんて、普通の学校なんだから生徒だって、ピンからキリまで、多種多様。

たとえ選抜クラスの生徒だって、そうそう簡単にコチラを向かせ続けることはできないよ。

はっきり言って、授業で生徒を惹きつけることが出来ていませんでした。

授業で扱うレベルも、生徒にはハッキリ言ってミスマッチ。

そんな感じで、この先生が受けもつクラスは、全然成績が上がりませんでした。

 

今では、うちの学校の様子も掴めつつあるようで、毎日、内容の濃い授業を展開されているようです。

 

そんなS先生に声をかけられました。

 

 『前から聴きたかったのですが、切り出していいものかわからなくて』

 

そう言って、S先生は切り出された。

 

『どうして辞めるんですか?』

 

僕は、なんとなく言葉にできる範囲で答えました。

 

ここ数年、惰性になっていたこと。

数学指導にも情熱が薄れつつあること。

年齢的に何か変えるならもう今しかないと思ったこと。

これから先のこと。

 

あと何か話した気がするけど、なんか思い出せない・・・。

 

そんなことを話しました。

 

S先生は、ご自身も20年以上予備校で教えてこられて、やはり毎年毎年同じことの繰り返しに、嫌になってしまう部分もあったらしいです。

 

それで、前校長に声をかけられたときに、環境を変えるのも悪くないと思った、そんな話をしてくれました。

 

『次は何か決まっているんですか?』

 

 だいたいの人に聞かれることを、S先生にも聞かれた。

 

ハッキリ言って決まってない。

 

超バクゼンと、毎日1つ漫画描こうかな、なんて。

毎日ブログ更新しようかな、なんて。

あとは、読脳の勉強。

伊東先生に、これをやったらと言われていることもある。

 

決まってない。

 

「知り合いの仕事を手伝いながら、探そうと思います。」

と答えました。

半ばホントのような、違うような。

 

「教員続けながら探すのは、不可能ですよね」

と返してくれた。

 

 そうなんです。

教師って忙しいのですよ。

 

昨今は、毎日のように、教師のワイセツ事件がニュースになるけど、我々は、ちゃんとやっているのですよ。

そして、ほんと忙しい。

あれもこれもで、することが終わる日がない。

 

あー、怖い。

 

こうして、色々な人に話すと、一様に驚き、最後は応援してくれる。

 

でも、そうすると、「僕自身の心の準備ができていないのに周りの人の心の準備がどんどんできていっている」そんな感覚になる。

 

 

何度も怖いと思っているけど、何度も、こうするよりなかったと思う。

それは、紛れもなく確信している。

このまま学校にいたら、確実に後悔する人生だったと思う。

 

それに、人体実験のような気持ちもしています。

これから一体どうなるのでしょうか、とね。

 

S先生は、『まぁ、先生なら何をやっても上手くいくと思いますよ』と言ってくれた。

 

この言葉、大学を卒業するときにも、先輩からも同じことを言われた。

 

自分で言うのもなんだけど、僕もそうだと思う。

 

なんていうか、能力も頭も僕って悪くないんだ。

人格も、結構いいと思っている。

どこかでそういうセルフイメージがあるし、そう思ってもらえているんだ。

 

僕に足りなかったのは、勇気とか自信とか、最近の流行りの自己肯定感とか。

なんかそういうの。

そう思っている。

 

 

 で、ようやく表題の件なんだけど。

 

この勇気とか自信とか自己肯定感の不足について。

 

僕は反抗期がなかった。

しっかり反抗して、親の価値観を切ってこなかった。

それが原因なんじゃないかと思っています。

 

反抗期って言葉がネガティブだけど、本来は「自分の価値感で生きていく」っていう宣言であって、決してネガティブなことじゃないよな。

 

 

で、私43歳ですが、先日、母親とガチンコしました。

精神的に自立できていなかったとつくづく思ったし、30年早くやるべきだったって思った。

この件については、ちょっと色々あるので、後日、ちょっと書いていこうと思います。

 

 

中年の危機って、反抗期の有無に関係あると思う。

ちゃんと納得できる人生を生きるためには、「自分の価値観で生きる、決める、邪魔するな」って “親に” 突きつける瞬間が必要だと思う。

 

それをしないと40越えたあたりで、「こんなはずじゃなかった」となるんじゃないかな。

 

 

 

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